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ギリシャ時間7時20分、アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港に到着。実質的なツアー初日である。この長ったらしい到底覚えられそうにない名前は、独立後、国造りに貢献のあった元首相にちなんどものだそうだ。入国手続きを済ませターンテーブル前でスーツケースを待つ。ツアーメンバーの荷物はポーターがバスまで運んでもらえる。パックツアーのメリットをかみしめながらバスに乗車する。約40分でアテネ市内に入り、最初の目的地の国立考古学博物館に到着。ここで今日のツアーガイドのバソさんと合流する。18年前に東京の専門学校で3カ月間、日本語の勉強をしたという50前後の女性だ。
バソさんの案内でギリシャ各地の遺跡出土品が収められているという世界有数の考古学博物館に入場する。1〜2階に56室もの展示室がある。最初の部屋の正面には最も著名な「黄金のマスク(アガメムノンのマスク)」が展示され、いきなり見学者の目に飛び込むという演出に驚く。紀元前20世紀にまで遡るミケーネ文明の至宝である。フラッシュ使用は禁止だが撮影は自由である。「地球の歩き方」のガイドを参考に数多くの著名な展示品を画像に収めた。
次の観光は今回のツアーのハイライト「世界遺産・アクロポリスの丘」である。車窓から既に丘の上のパルテノン神殿が見え隠れし、いやがうえにも期待を膨らませる。バスを降りてカフェテラスのある通りを進む。右手には古代アゴラに残された最も原型をとどめるといわれるへファイスト神殿の美しい姿が見え隠れする。丘の麓のアタロスの柱廊博物館に立ち寄る。唯一の完全復元遺跡の博物館で、前後2列に整然と配された柱列の並ぶ回廊が見事な空間を造っている。古代ギリシャ人の生活ぶりを示した古代アゴラの出土品を見て回る。
博物館前の神殿に向う石畳の坂道をのぼる。古代アテネの裁判所跡といわれる小さな岩山の横を抜けた所に入場口があった。いよいよアクロポリス(高い丘の都市)の神殿の聖域に入る。それにしても凄まじいばかりの観光客である。西欧文明の究極の原点ともいうべきスポットの吸引力を思い知らされる。坂道の途中の展望地から古代音楽堂遺跡の全貌を見下ろせる。夏には古典劇やコンサートが開かれる今なお現役の劇場でもある。古代から無数の人たちに踏みしめられてツルツルになった大理石の階段を慎重に登っていく。古代人たちの足跡の証しと思えば滑り安さにも感慨を呼ぶ。プロピライヤ(前門)をくぐると丘の頂上に出る。途端に写真で馴染んだ余りにも有名なパルテノン神殿の実物の姿が目に入る。名状し難い感動が胸をよぎる。観光客の人混みをかき分けて巨大な円柱に近づいていく。
バソさんのレクチャーの後、自由解散となり、世界最高水準の世界遺産の満喫タイムを迎える。まずは神殿の周囲を記念写真を交えて散策。丘の頂きからの音楽堂遺跡の眺望や撮影も怠たりない。神殿先の丘の先端の展望台からの180度の景観も見逃せない。アテネのもうひつのランドマークであるリカヴィトスの丘の神秘的なたたずまいが一際鮮やかに目に入る。神殿西側のエレクティオンに移動し、周囲をじっくり見学する。古代建築を修復した神殿であり、6人の少女像を柱とした柱廊が張り出した特徴的な建造物である。
丘を降り、バスで次の観光地・オリンピックスタジアムに向かう。そのほとんどが大理石で造られた現代のスタジアムは、アテネ五輪で野口みずきが栄光のゴールテープを切った競技場だ。スタジアムから徒歩数分のところに昼食会場があった。スタジアムと同じ名前の一見民家と見まごうタベルナ(レストラン)に入る。ムサカという茄子の挽き肉の重ね焼きのギリシャ料理がメインのコース料理だった。本場のギリシャ料理の初めての味わいだったが、感動の薄い今一つピンとこないものだった。昼食後、ツアーお決まりの土産物店への立ちよりが待っていた。15分ばかりギリシャ土産の物色に時間潰しをして店を出る。
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