団塊オヤジの地域デビュー @リタイヤが始まった
2009-02-05


先日、在住地区の社会福祉協議会の役員会があった。先月開催された75歳以上のお年寄りを招待してのお食事交流会の反省が議題のひとつだった。この催しに関わる中である問題意識が芽生えていた。それを会議の場で口にした。
 交流会に参加してもらうべく民生委員として私が担当するエリアの対象者約80名の全世帯を訪問し、いくつかの意見も伺った。結果的に19名の方に参加してもらったが、男性は僅か4名である。高齢の男性の地域行事への参加の少なさが気になった。
 ひるがえって自分自身の地域との関わりを振り返った。現住所に越して以来20数年、地域活動には殆んど無縁のサラリーマンだった。たまたま定年直前に自治会役員のくじを引いてしまった。2年間ばかり関わった自治会活動では培ったビジネス・スキルを活かしてそれなりの仕事が達成できた。それもあってかリタイヤの半年前に地区の民生・児童委員のお鉢が回ってきた。それは同時にお年寄りと児童を支援する二つの地域ボランティア組織の役員も兼ねることでもあった。こうして私の場合は、幸運にもリタイヤと同時にスムーズに地域活動に溶け込む道筋を得たわけである。
 私は1,900世帯、5,600人が住む戸建住宅で構成された郊外の新興住宅街に住んでいる。圧倒的多数はサラリーマン世帯である。そして恐らく故郷を離れてこの街に終の棲家を求めた世帯が多数を占めている。高齢の男性の多くもサラリーマン生活を勤め上げたリタイヤ組の筈である。
 リタイヤ後のサラリーマンはイヤでも在住する地域に戻る他はない。ヤンママが初めての我が子を連れて「公園デビュー」という形で地域交流を始めるようなものだ。ところがサラリーマン一筋だった「団塊オヤジの地域デビュー」は思いの他ハードルが高い。辞を低くして門戸を叩くには変なプライドが邪魔をする。ご近所づきあいも嫁はんまかせで、旦那どうしとなるとか細いものである。ちょっとしたきっかけであっという間にお喋り仲間をつくってしまう主婦の器用さも持ち合わせていない。へたをすると嫁はんにまとわりつく「濡れ落葉」や「引きこもりオヤジ」になりかねない。これがシャイで不器用なリタイヤオヤジの一般的な生態ではないだろうか。
 団塊世代のリタイヤが始まった。彼らが2007年から2010年にかけて一斉に60才定年を迎える「2007年問題」がやってきた。定年延長や再雇用制度により幾分緩和されたものの、昨今の大不況がリタイヤを加速化させる懸念も大きい。団塊世代とは言え、多くは主婦である団塊オバサンは十分地域に溶け込んでいる。問題はどこまでも団塊オヤジなのである。
 地域活動に入りこんで1年が経過した。地域組織の側にも多くの問題を抱えている。「団塊オヤジの地域デビュー」がいかに円滑に行なわれるかは、私たちの「最小生活単位である地域」の活力を左右する緊急テーマと言って過言でない。これが先日の社協役員会での私の問題意識だった。しばらくこのブログでも触れながら整理して見ようと思う。
[地域ボランティア]

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