高齢化の深刻化を伝える一本の電話
2012-01-11


朝10時前、パソコン前でデスクワークをしていた。固定電話のコール音が鳴った。年配のご婦人の声で民生委員への相談事が告げられた。名前を伺ってご夫婦だけの高齢世帯の奥さんだと分かった。ゴミステーション当番についての悩みだった。ご主人は病に倒れ入院中で、まもなく80代に手の届くご本人も足腰の衰えが著しいとのことだ。もうすぐゴミステーション当番が回ってくるが、ゴミを入れる2台のコンテナの運搬に耐えられない。何とかそれを免除して貰えることはできないかとのことだった。
 先日の自治会執行部と地域団体代表との懇談会でも話題になったばかりのテーマだった。高齢化が進展している住宅街のあちこちで問題になりつつある。それは当番を逃れるために自治会を退会するという住民が出てくるようになって一気に顕在化した。民生委員への相談事ではないように思うがとはご本人の弁である。それでも誰かに聞いてもらいたいという切羽詰まった想いが滲んでいる。同じゴミ当番グループで特別な事情のある世帯の当番を免除するという話合いをもつしかないと答えた。私たちのグループは高齢で同じような事情のある世帯が多数で到底そんな話は無理だと思うという返事が返された。ことほど左様に一部地域は高齢化が深刻化している。有効な回答をできず無力感に浸されたまま電話を終えた。
 同じグループの知人の主婦に問い合わせた。同年代の彼女の口からもプラスチック・コンテナの重さがもれた。確かにもっと軽くて丈夫な素材がある筈だ。市の供給物のようだから市への要望が必要になる。コンテナ洗浄のため当番者が自宅に持ち帰っているが、ゴミステーションンにそのまま置いておくことは無理なのかとも言われた。それも検討の余地ありだと思った。
 知人との電話を終えて、すぐに同じ丁目の自治会役員である副会長に電話した。先ほどの経過を伝え、コンテナ改善の行政要望やコンテナのステーション内保管の余地などの検討を依頼した。
 まだ時間的ゆとりがあると思っていた高齢化の深刻化が俄かに間近に迫っているとを思い知らされた一本の電話だった。
[地域ボランティア]

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