初冬の気配の散歩道
2014-11-13


禺画像]
早朝6時過ぎのまだうす闇の漂う散歩道だった。有馬川土手道のさくら並木の紅葉は半ば以上が枯葉となって路傍を縁どっていた。
 愛宕橋、名来橋の袂を越えて道場との町境までやってきた。隣町の有馬川堤の土嚢で覆われた堤防が見えた。お盆前に来襲した台風11号の爪跡が今尚残っている。土嚢の向こうに白い霞のようなもやが漂よい深秋の景色に風情を与えていた。
 隣町の稲田を仕切っている農道を歩いた。積み上げられたもみ殻の一部が黒く染まり煙を吐いていた。あちこちのもみ焼きの煙が田園風景の裾に垂れ込めて焦げ臭い匂いを伴って徘徊していた。先ほどの土嚢の向こうのもやの正体だった。
 住宅街の麓の市民農園に戻ってきた時だ。見慣れない野鳥が羽ばたいて近くの竹の柵に留まった。デジカメのズームを引上げ捉えた。帰宅してツグミのキーワードでネット検索した。画像一覧で同じ形態の野鳥を見つけた。ツグミ科のジョウビタキという冬の渡り鳥だった。
 深秋の散歩道にはもう初冬の気配を運んでいた。
[散歩道]

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