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朝１０時過ぎ、所用もあって住宅街の唯一のカフェを訪ねた。先日のチョイ飲みオヤジ会の会場だったお店である。折しも粉雪が舞い落ちる寒い土曜日の朝である。さぞお客さんも少ないだろうと思いながら入口ドアを開いた。あにはからんや、目に入ったのは満席に近い店内風景だった。
　僅かに残された空席に座ると、マスターの奥さんに声を掛けられた。「前に話していたお客さんが今来られてますヨ」。以前、最近越してこられたひとり住まいのご婦人が安心キットの申込みをしたいという話を聞いていた。すぐに７０前後とおぼしきご婦人の席に行って挨拶し事情を伺った。「去年１１月に息子家族と越してきたが、その後に息子が転勤になって家族と一緒に転居した。ひとり暮らしになって不安に思っていたら、この店で安心キットのことを聞き、お願いしようと思っていた」とのこと。聞けば私の担当地区にお住まいである。早速、ボランティアセンターの連絡先を伝え、併せて私の連絡先も伝えて困り事の相談に応じる旨話をした。席に戻りコーヒーを運んでもらった奥さんに良い情報を伝えてもらったことのお礼を述べた。街のカフェの情報ジョイント機能を教えられた。
　モーニングの朝食を食べながら持参の文庫本を広げた。大きな円卓を囲んだ来店客の会話がいやでも耳に入る。１３人ばかりのお客さんのほとんどが高齢の男女である。しかもこの店で朝食を摂ることが日課になっているかのような常連さんたちのようだ。○○さんはどうしているとか、昨日○○さんと一緒だったとかの話題が飛び交っている。期せずしてこの店は常連さんたちの見守り情報の交換の場にもなっている。
　朝食を終え、マスターに次回チョイ飲みオヤジ会の予約をお願いし、福祉ネット絡みでこの店の街の情報拠点としての役割の言葉を添えた。ぜひとも永く続けてほしいなくてはならない店である。