2015-02-06
福祉ネット構想の組織的な独自性は、地域の多様な組織や事業者や人材の参加を求めた点にあると思う。役員会には、地域包括センターの責任者や市社協の分区担当者が参加する。地域在住の高齢者福祉の有識者にも顧問就任をお願いした。地域の医療法人、特別養護老人ホーム、介護施設の6事業者にもオブザーバー参加をして頂いた。地域で開業の診療所院長、薬局店主や、地域在住の公園清掃や買物支援のボランティアグループの代表者、看護師でもあるケアマネジャーの4人の方にはアドバイザーをお願いした。
超高齢化社会の到来を迎えて高齢者ケアは、地域社会全体で取り組むべき課題と言える。高齢化に伴う困りごとは多岐にわたる。医療、介護だけでなく、買物、通院、家事、ゴミ出し、見守り、孤立化、生きがいや居場所等の日常生活全般に及ぶ。福祉ネットの役員の判断を超える専門的な分野も多い。そうした課題に幅広く応える上で、専門機関、専門家、現場実務者の知識、情報、経験を随時得られる態勢を整えたいと考えた。
福祉ネットへのオボザーバー参加の呼びかけに、地域の医療・介護の事業者は極めて好意的であった。こうした地域との繋がりを待っていたという雰囲気すら感じられた。2025年を控えて事業者側にも施設や人材の整備確保が迫られている。「医療から介護」へ、「施設から在宅」へといった流れの下で、事業展開に当たって地域住民との連携は欠かせない。そんな事情が呼掛けに対する前向きな反応になっていると思われた。
アドバイザーの皆さんもそれぞれの担当分野での超高齢化のもたらす影響と危機感は大きく、地域住民との連携は願ってもないことという受け止め方のようだった。
オブザーバーにしろアドバイザーにしろ構成組織が単独では参加を要請し難いのも事実だろう。対象人口8200名の高齢者ケアという共有する課題を目的とした六つの団体・役職が連携した会議体だからこそ可能なネットワーク化である。福祉ネット構想の独自性と強みの真骨頂がこの点にある。
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