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毎年この時期に開催される障がい者支援の北部地区懇談会に参加した。朝１０時からの山口公民館での会議には障がい者家族会、手をつなぐ育成会、地区ボランティアセンターコーデネーター、障がい者施設職員、市厚生課職員、市社協担当者、障害者総合相談支援センター職員など２３名が顔を揃えた。
　最初に育成会メンバーの指導で参加者全員が知的障がい疑似体験をやってみた。指の長い軍手を着用して帯布のかかった模擬のお札の束を数える。軍手で指先が使えないので悪戦苦闘。障がい者の実感に近い体験とのこと。もうひとつの体験は二人一組でひとりが進行役から伝えられた言葉を「わ」という一語の抑揚だけで相手に伝えるものだ。例えば「喉が渇いたのでお茶を下さい」という言葉を伝えるのだが、どれほど抑揚をつけようとも「わ」だけでは到底伝えられない。そこで次に「わ」の言葉ににジェスチャーを加えて伝えることを促される。これで何とか意図は伝わった。これもまた障がい者が健常者に気持ちを伝える際の疑似体験である。障がい者と同じかそれに近い環境に身を置いてみることで初めて見えてくる景色がある。
　続いて３グループに分かれてのグループトークになった。８名のメンバーがそれぞれの立場から自己紹介を兼ねて障がい者支援についての想いが語られた。私からは「高齢者の認知症が一般的になる中で発症者があるがままに地域で暮らせることの大切さが理解され始めた。それは障がい者の地域での過ごし方の理解にも共通している。福祉ネットの場でもそうした理解を深めたい」旨を発言した。
　１時間余りの熱のこもったトークを終えて１２時前に懇談会が終了した。重度の障害を抱えた子供さんのお母さんたちの日常生活の苛酷さの生の声にふれた貴重な機会だった。