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地区社協広報紙2月号が発行された。毎年2月号の1面は会長の年頭所感が掲載される。今回は「コロナ禍にどう向き合うか〜高齢者と地域のフレイル対応〜」と題して以下の記事を投稿した。
■高齢者と地域のフレイル
2年に及ぶコロナ禍が高齢者のフレイル(心身の虚弱化)を着実に進行させています。民生委員の昨年の高齢者実態把握調査でもそれを痛感しました。担当地区のお年寄りの死亡が例年になく多く、入院や施設入所、子ども宅への転出も目立ちました。コロナ禍の外出自粛や人とのつながりが希薄化し、心身の衰えと社会生活の後退を招いたことが背景にあります。
75歳以上の高齢者対象の”ふれあい交流会”が今年もコロナ禍で中止を余儀なくされました。申込者の二年ぶりの晴れの場への出席と久々の同世代との再会の期待に応えられず心が痛みました。ふれあい喫茶、子育てサロン、福祉講座、障がい者サロン等も緊急事態宣言中の休止が続きました。自治会の盆踊り、文化祭、バスツアーも二年続きで開催が見送られました。自治会はじめ地域団体の総会も書面総会となり、貴重な意見交換の機会が奪われました。
地域コミュニティを支える活動の自粛や中止が続き、コミュニティそのものの衰退を招いているように思います。今やコロナ禍は高齢者ばかりか地域コミュニティのフレイルをも招いています。
■組織強化と変化対応
地区社協の昨年度迄の6年間の第八次地区福祉計画の組織と活動の進捗を振り返ってみました。
役員数は派遣役員が減少したものの、専任役員が5名増え28名となり、協力員も9名増えたことで役員体制は強化されました。ボランティアセンターでも、有償ボランティアの新設で24名の活動提供者があらたに登録されました。
新たな活動としては、年6回発行の広報紙が昨年度からは役員等の手でカラー版の全世帯配布が実現しました。福祉講座も部会運営による組織的な開催が定着し、募金事業部ではオンラインの部会開催が活発です。また「敬老のつどい」が「敬老お祝訪問」になり約450名のお年寄りへの寄り添い訪問が定着しています。
地域連携も進展しました。福祉ネットでは既存の地域組織に加えて介護施設、医療機関、障がい者家族会、つどい場、PTA等との新たな連携が生まれました。また共生型地域交流拠点づくりが、多くの組織との連携で進んでいます。
「組織強化と環境変化への対応」がこの6年間の端的な実績です。
■地区社協のコロナ禍対応
第八次地区福祉計画終了の年にコロナ禍という苛酷な災禍に見舞われました。第九次地区福祉計画策定に向け、地区社協のコロナ禍の高齢者と地域のフレイルへの対応が問われています。
「高齢者」については、感染対策に努めながら本来の活動である地域での繋がりの活動の維持が欠かせません。集客イベントの開催は困難でも訪問よりそい活動は可能です。オンライン見守り等の新たな活動スタイルの検討も課題です。
「地域」については地域連携活動の中心的な役割が求められます。「福祉ネット」から衣替えした「地区ネット」を通じて新たなコミュニティ機能を目指します。また協議中の共生型地域交流拠点の実現もコミュニティの新たな基盤になります。
■環境への柔軟な対応
コロナ禍という厳しい環境への柔軟な対応が必要です。ワクチン差別等の過剰な同調圧力が心配です。感染対策と同時に多様な声を汲み取り、地区社協本来の役割りを自覚した活動に努めます。
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