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酷寒の早朝である。スマホの天気予報アプリは−４℃の気温を表示していた。有馬川の土手道を北に向かった。中国道の高架下をくぐった先の土手道の東側には寒々とした黒い枝振りだけのさくら並木が続いている。土手道のその反対側はめっきり水かさが少なくなった有馬川の流れが静かにか細く続いている。
　有馬川の向こう岸に沿って幾何学模様に乱反射した水面が目に留まった。この冬初めて目にした薄氷だった。薄氷の途切れたところに堰がある。堰で流れが少し滞留したことが薄氷の出番をもたらしたのだろう。薄氷の水面に映された枯れたススキの穂が印象的だった。