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早朝ウオーキングを終えて有馬川にかかる住宅街の入口の橋を渡った。バス通りのセンターライン付近の路上に何やら四角の黒っぽい物が目に入った。近づくとどうやらスマホの落とし物のようだった。だとすれば持ち主は相当困っている筈だと自分自身がその身になってみて思った。
拾って手にすると通過した車に轢かれたのだろう。液晶パネルは無残にひび割れていた。落ちたショックで本体はケースから飛び出していた。ケースのポケットにはキャッシュカードが入っていた。これはもう警察に届けるしかないと観念した。ところがカードのカタカナ名を見て驚いた。比較的珍しい苗字からご近所の同世代の方だと推測できた。帰宅して民生委員の高齢者実態調査票でフルネームを確認すると推測通りだった。
その時、そのスマホのコール音が響いて呼び出し画面が表示された。パネルの破損だけでデータや機能は維持されているようだ。すぐに自宅から数軒先のお宅を訪ねた。チャイムを鳴らして待機していると背後で車が停車した。車にはそのお宅のご夫婦の姿があった。「スマホを落とされたんですね」とスマホを差し出して声を掛けた。「そうなんです。今車で散歩コースをひと回りして探しに行ってたんです。ありがとうございました」とのこと。
翌日、奥さんから届けられた高価な和菓子の詰め合わせが、無くしたかもしれないスマホの回収の安堵感が伝わった。
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