半年ぶりの市大病院
2015-03-03


昨日、朝一番に大阪に出かけた。半年ぶりに大阪市大病院の検査を受けるためだ。8時半頃、地下鉄梅田駅のラッシュに身を任せて乗車した。現役時代の慌ただしい日常を想いだし思わず懐かしい気分に浸らされる。
 朝一番の予約だった。9時過ぎに大阪市大病院の待合室のモニターに受付番号が表示された。診察室で担当医と向き合う。初めての医師だった。手術後何番目の担当医なのかもはや定かでない。
 悪性黒色腫という名のおどろおどろしい名称の皮膚癌を告げられたのは2006年の12月だった。翌年2月に最初の手術をし3月には二度目の手術をした。右手親指との永遠の別れだった。以来、まる8年が経過した。この間の転移の有無を調べる検査は無事クリアしてきた。
 40代の脂の乗り切った初対面の医師が、PCモニターでカルテを確認しながら「順調なんですね。今日は血液検査と腫瘍マーカーの検査をしてもらいます。結果は二週間後の診察で知らせます」と告げる。続けて「2年後の術後10年経過時点で何事もなければ治療は終了します」と告げられた。
 血液検査室で血液採取をした。従来は血液採取による腫瘍マーカー検査は皮膚科の治療室で別個に行われていた。今回は血液検査室での血液採取で一括して行えるようになっている。10時前には会計清算も終え、病院を後にした。8年前にはあれほど苦悩した嵐のような災厄が、今はかげろうのような淡い幻影となっている。
[患者の達人]

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